ロボットコラム
カテゴリ : ロボット情報
今回は、浜松商工会議所会館にて11月24日、25日に開催された「ハマロボ展」に参加して のコラムです。
この展示イベントは、浜松エリアにあるロボット関連企業が集結し、協働型ロボットを中心 にした体験型の展示イベントでした。2日間の開催でしたが、従来のweb開催ではなく対面式 での開催であり、参加者同士の熱心な対話も生まれ、活気あふれるイベントとなりました。
同時開催のセミナーも含め両日で、460名ほどの参加があり大変盛会なイベントであったと 感じました。
展示ブースの中で、特に印象に残った2社の自動化設備、ロボットについて紹介します。
~1 リニアコンベアモジュール(ヤマハ発動機)
まず目を引いたのは、1階受付付近に配置されたリニア搬送コンベアです。こちらは主に 組み立て工程などの自動化で使用される設備です。驚かされるのは対象製品を載せ、工程間を 移動するスライダの移動速度の速さです。搬送重量にもよりますが、秒速2500㎜(1秒間で 2.5M)と超高速搬送が実現されているのです。しかもスライド移動時の位置決め精度が すばらしい単体で、±5ミクロンの精密位置決めを可能にしています。
搬送のメカニズムの基本はリニア中央新幹線でも用いられているリニア(磁力でスライドを 高速移動させる)技術です。またコンベア自体もモジュール構造で、工程変更などへの対応 が比較的容易な点も特徴になっています。
~2 作業支援ロボット「SUPPOT」(ソミックマネージメントホールディングス)
SUPPOTとは、重量物などの運搬作業支援ロボットで、4輪の自走型ロボットです。 作業現場まで資材や作業工具など重量物を運ぶ際に、作業者に代わって自走式の SUPPOTに運ばせることが可能です。
工場現場だけでなく、土木建築など荒れ地や不整地での使用にも、4輪駆動と4輪操舵 機能で対応可能な仕様となっています。使い方もコントローラによる遠隔操作だけで なく、作業者の後ろについてくる自動追従走行モードも選択でき、比較的容易に現場に 導入できるメリットもあります。
走行前面を常にレーザー(2D LiDAR)で監視しており、障害物が現れても衝突回避 が可能です。工事現場などへのレンタルサービスもすでに始まっており、今後のさらなる 普及が期待される技術です。
紹介した展示内容以外にも、世界初のカメラ搭載協働ロボット(SSI株式会社)、血液 検体搬送用協働ロボット(日本設計工業株式会社)など、製造現場などで展開可能な 実践的展示が目を引きました。
協働型ロボットは、その名の通り作業者に近いエリアで、作業者と一緒になって働く より身近な存在のロボットです。人の比較的苦手な仕事、重量物作業などをある程度 ロボットに任せ、人はより緻密で高度な業務を担当できるようになります。
ハマロボ展に集まった、ロボット技術者やシステム技術者の皆さんの熱気は、 「協働ロボットの実践展開は浜松から」の意気込みを十分感じさせるものでした。
皆さんの職場でもぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
掲載した写真はハマロボ展2022での撮影写真と、出展された企業のホームページから引用しています。」