ロボットコラム
いつもコラムのご愛読、ありがとうございます。
今回は、栃木県宇都宮市で実現した、ゼロカーボン・トランスポートの紹介コラムです。
スタイリッシュで未来的デザインの車両が人気の新規路面電車ですが、環境面や安全面でも見るべきものがあり、今回実際に試乗してきました。
~1 宇都宮ライトレールトランジット(LRT) 開業の背景
2023年8月26日より運行を開始した宇都宮ライトレールトランジット(LRT)ですが、日本国内では75年ぶりとなる新規での路面電車開業となりました。
もともと宇都宮駅東方面は、内陸工業団地として国内最大級の清原工業団地や芳賀工業団地を抱え、鬼怒川の道路橋周辺で慢性的な交通渋滞が問題となっていました。
交通渋滞の緩和策として、ショッピングモール駐車場などを利用した、パーク&ライドの取り組みも実施されていましたが、より抜本的な公共交通システムの導入が求められていました。
~2 宇都宮LRTの概要と安全配慮
宇都宮駅東口より、東方面へ鬼怒川を越え芳賀・高根沢工業団地まで14.6キロメートルを結ぶ公共交通機関です。
全路線で複線化(上り下りの対面走行可能)されており、通勤通学時間帯は10分間隔での運行も可能となっています。バス・自動車・自転車との乗り換えがスムーズに行えるよう、トランジットセンター機能を持つ途中駅が複数設置されています。
車椅子などでの乗車も比較的スムーズに行えるよう、超低床車両の導入、停車場のバリアフリー化が徹底されており、筆者も試乗しましたが、乗り心地も静かで快適でした。
~3 環境負荷低減の取り組み
もともと路面電車は、乗用車やバスに比べてすぐれた運送効率(エネルギー換算で)を持っています。また宇都宮LRTは、世界的に見ても珍しい地域由来の電力のみで運行運用されています。
具体的には、「宇都宮市茂原にある家庭ごみなどの焼却によるバイオマス発電」と「一般家庭などの太陽光発電(買取期間終了後など)余剰電力」などを活用しています。
~4 LRTの将来性
宇都宮LRTは、未来を感じさせる近代的な車体デザインで、沿線住民のみでなく鉄道マニアも多く集まり、休日でも大人気となっているようです。沿線にあるスポーツ施設を活用して地域プロチームとのコラボイベントなども期待できそうに思われます。(野球:清原球場、サッカー:グリーンスタジアム、バスケット:宇都宮市体育館)
LRT車両は現在ワンマン運転していますが、路面電車は決められた軌道を走行するため、将来的な無人運転へ発展する可能性を秘めているように思われます。
宇都宮市、宇都宮LRT、宇都宮ライトパワーのホームページより写真、情報は参考・掲載しています。